建物単体(お客様)の主なメリット
メリット1省エネルギー
個別に空調をすると、空調負荷の季節変動や時間変動も大きく、熱源機器の運転が1年の大半で小さい能力の運転となり、非効率になりがちです。
地域冷暖房(地域熱供給)として複数ビルの空調需要を束ね、集約して製造することで、熱源機器を定格能力に近い状態で運転でき、安定的・効率的な運転となります。
また、機器の稼働状況を専門職員が常時監視して緻密な効率管理を行い、運用面でも日々の運用改善など、常にエネルギー利用の効率化に取り組み、当社はエネルギー効率面で良好な結果・評価を得ています。
メリット2脱炭素社会への貢献
当社では、省エネルギー活動はもとより、地球温暖化対策として脱炭素化への取り組みも重視しております。 当社の熱をご利用頂くお客様は、国や都に提出する報告書等において、当社運転実績による二酸化炭素排出係数を使用でき、この当社係数は法定の係数より大きく優れた値を得ております。 お客様は、当社の熱の利用によって低炭素化が図れ、加えて2025年度からはカーボンニュートラル熱の提供を開始予定で、二酸化炭素排出係数ゼロとして、脱炭素化へもつながります。
メリット3空間の有効活用
機械室などの縮小
地域冷暖房(地域熱供給)を利用する場合は、熱源設備として必要な機械室が不要となり、さらに関連する受変電設備に要するスペースなども大きく減少します。
また、地域冷暖房(地域熱供給)の受入に必要なスペースや空調機器用のスペースも、建築基準法における容積から除外でき、建築可能な面積が実質的に増えます。
これにより生まれたスペースは、貸室スペースなど他の用途として活用できます。
屋上や壁面などの空間活用 地域冷暖房(地域熱供給)を利用する場合は、熱源機器を必要としないことから、空調放熱に必要な冷却塔(室外機)や煙突などが不要となります。 屋上や建物外壁面などに空間が生まれ、たとえばヘリポート・太陽光パネル・屋上庭園など、設計の自由度と空間活用の効果が期待できます。
メリット4経済性
設備コストの低減
建物側で熱源機器を持たないため、機器設置の初期費用だけでなく、設備の維持管理に係る人件費・メンテナンス費や将来の更新に必要な費用などの低減が期待できます。
また、構造的に単純な設備機器が多くなり、長寿命化も期待できます。更に、電気使用量や受電容量を大きく低減できるため、電気に係るコストも削減できます。
収益の向上 空間の有効利用によって、貸室面積や売り場面積などが増加する場合においては、その賃貸料や売上による収益の増加が期待できます。
地域全体にとっての主なメリット
メリット1未利用エネルギーの活用
個別では活用が難しいエネルギーの地域への活用 例えば、常に一定量で多くの熱が発生する「清掃工場排熱」のようなエネルギーは、需要が大きく変動する個別のビルだけでは、安定的に活用することが難しいものです。 これらの熱エネルギーも、地域全体で活用を図れる地域冷暖房(地域熱供給)ならば、24時間安定的に活用することができます。 当社では、隣接する豊島清掃工場の排熱利用を視野に、新たに計画中の東池袋第2プラントで受入体制を整え、地域での未利用エネルギー活用実現に向けて貢献していきます。
メリット2ヒートアイランド防止
水冷式冷却塔
水冷式冷却塔は、排熱の約8割を水の気化熱として消費し、大気中へ直接放熱する量が低減されます。
外気温の上昇を抑えることができ、ヒートアイランド現象の抑制に大きな効果があります。
また、当社冷却塔は高所に設置しており、大気放熱分も拡散しやすくすることで、生活環境への影響をより低減させています。
空冷式冷却塔(室外機)
ビル用マルチエアコンなどの一般的な個別空調においては、空冷式室外機が主流であり、排熱を直接的に街中の大気に放出しています。
外気温を押し上げる影響が生じ、ヒートアイランド現象を悪化させる原因となります。
また、室外機は生活環境に近い低層部に設置されることも多いため、建物外周部において局所的な温度上昇や不快感を招くこともあります。